アリーマイラブ2の老女の夢
たとえば夢。
ある老女が先のない病にかかり、そのことを本人はすでに熟知している。
彼女には家族も親戚もない。老女は若いときに架空の若者を空想の中で恋人とした。
そののち彼女は結婚することなく今に至る。空想の中で彼女がつくりだした相手は、
老女が眠りに落ちたときに継続する夢として現われ、その夢の中で二人は結婚し
平凡だが幸せな家庭を築いているという。
夢の中の進化し深化する平凡な家庭では子どもが三人生まれ、彼女はまだ四十代。
そんな日々のなかで彼女がいちばん辛いのはときどき見る「夢」なのだという。
その夢は彼女が年老いて一人の家族もなく助かる見込みのない病にかかっているのだとか。
老女は夢の中の平凡で何気ない幸福な時間の中で、その夢だけに怯え暮らしている。
病院のベッドの上の老女が、医師に、だから自分を昏睡状態にして欲しい、
醒めない夢の世界に置いてほしい…と頼み込む。
さて、その結末や、いかに?

昨日、ビデオ屋で借りてきた「アリーマイラブ2」の第六巻・11話はそんな話しだった。
カゼでダウンしていたぼんやりした脳には、かなりこたえるシノプシス。
でもぼくはこのストーリーを泣きながら、腹をかかえて笑いながら、ひざをたたきながら観た。

すごいです「アリーマイラブ」。
非常にこまやかな布石がきわめて巧妙に張り巡らされているので
できればダウンした折りにでもいちばん最初から観ることをすすめたい。
かなわなければ、楽しんでしまうことも、悪くない…
そういう出逢いもあるのだよ。