憂鬱である。
NHKの女性アナウンサーは有働アナという人だった。
実況中にかなり激高していた全日本柔道コーチの岡田は、深夜の解説では鮮やかにトーンダウンししっかりとした受け身ぶりをを発揮。民放はといえばコトバだけが上滑りしていくだけで、予定調和の怒りのみ。目立ったのはバカ女・田村。この道端の中年女のような日和見ぶりにはうんざりし通しだった。こいつを引きサイズ以外で撮るのはほんとうにやめてほしい。昨今の家庭のテレビは解像度も高く画面サイズも大きいので被害甚大である。

1972年のミュンヘンでアメリカがソ連に負け、銀メダルを受け取らずボイコットした事実有り。勝った負けたを旗印にするというのはそういうことだと思う。山下は勇退するなら、なぜあそこで怒りに任せなかったのか。
政治に続いて爪に火灯す思いで築き上げてきた経済もまた奈落の底を突き抜けようとしているこの国で、三谷のドラマではないが「合言葉は勇気」で突っ走れる、20世紀最後のまたとないチャンスを逸した間抜けさをどうやってカバーしていくのか。不思議である。

けつまくって啖呵切って「おれは降りる」こともあるぜと一度だけ示せる絶好の機会を見逃した責任を誰がとるのかな。

新しい世紀もまた、
あきれるほどにこの国は暗い。
国民みんながカラオケ狂いをしているうちに、政治音痴にとりつかれたとしか思えない。

唐突だが、蜷川に五輪演出をさせてみたかった。
彼なら灰皿ひっつかんでけつまくってくれただろう。
それともオーストラリアは禁煙で灰皿がなかったか?

少しばかり憂うつな週末である。