2000 08/28 08:43
Category : 日記
『ぼくは水だ。
きみたちが太陽をいっぱい浴びながら
水遊びをしているときに、
きみたちの体をそっとつつんで
前に運んだり、回転させたり
きみたちが気持ち良くてしかたがないことを
いつもぼくがてつだっていること知ってたかな?
ぼくは水だ。
ぼくたちは
いろんなふうに姿を変えて
いつもきみたちのそばにいる。
ぼくは水だ。
丸まって緑の葉っぱの上ではねたり跳んだり、
夏の朝、まだきみが寝返りを打っているころに
できたてのクモの糸にみんなでぶらさがって
生まれたばかりの朝日を浴びるのが
大好きな、水だ。
のどが渇くと、
きみたちは水を飲む。
それはただの水だったり
ワインだったり
お酒だったり
炭酸水だったり
いろいろな姿やカタチをした水だ。
そしてうれしそうに
ため息をついたりするよね。
きみたちはどうして、
水を飲むと
おいしいと思ったり、ほっとするんだろう…。
きみたちは
うれしいときや
かなしいときや
くやしいとき、
涙を流す。
その涙も水でできている…。
涙にのってきみの体に入っていくと、
ジェットコースターの迷路のような
血管の中を血液が流れてる。
きみの体の中の血管は
ぜんぶで9万キロもあるんだ。
つまり日本列島の36倍もね。
それから、ひとつひとつの細胞、
そのすみずみが
水であふれているのがわかるよね。
きみたちはとてもたくさんの物質で
できているけど、
どれもすべてぼくたち水に溶けて
はこばれていくんだ。
きみの体の70パーセントくらいは
だから、水でできてるんだね。
この水はきみたちが大好きな
あの海の水と同じ成分でできている。
きみたちは体の中に海を持っているんだ。
この星で生きている
ほかのたくさんの生き物たちも
きみたちと同じように体の中に海がある。
きみたちが体の中に
海をもっているように
地球もまた、
太陽系の惑星の中で
ただ一つだけ
地表に液体の水が
存在している星だ。
地球は
表面の約70パーセントが
海でおおわれている
水の惑星なんだ。
きみたちの体もそういえば
70パーセントが水でできていたね。
水の惑星の上に何十億もの
[歩く水たまり]のようなきみたち
人間が生きているんだな。
おかしいね。
きみたちはずっと昔に
この海から生まれたらしい。
じゃ、海はどうやって生まれたんだろう。
それは46億年も昔のことだ。
ある日、太陽が生まれた。
誕生したばかりの太陽を
円盤状に取りまいていた
ガスやチリが分裂して、
10兆個くらいの微惑星を生み出した。
この微惑星の中には、
すい星とよく似た
氷の微惑星があった。
その氷の微惑星に
炭素や水素、窒素や酸素という
いのちの材料になる物質が
ふくまれていたんだ。
そしていつか大気が生まれ、
その中にふくまれていた
水蒸気が雨になって、
原始の海ができた。
この原始の海にとけている物質は
きみたちの体をつくっている物質と
よく似ていたらしいのさ。
きみたちの体の約70パーセントが
水でつくられていて、
その水は、海の成分とほぼ同じで、
海ができるためには
すい星とよく似た
微惑星が衝突する必要が
あったらしいと話したよね。
そう、ぼくは
すい星で運ばれてきた
のかもしれないんだ。
すい星は、
約80パーセントが氷でできた
ものすごく大きな雪だるま
みたいなんだけどね。
巨大な雪だるまがものすごい勢いで
宇宙を飛んでいくの、想像できるかな。
火の玉みたいだった地球に
雪だるまみたいなぼくがぶつかって
やがて海ができた。
海がきみたちの母親なら、
ぼくはきみたちのおばあさんかな。
地球から1500光年も離れた
オリオン星雲の近くに、
地球の質量の100万倍もある
水蒸気のかたまりが発見されたんだ。
ここでは毎日毎日、
地球の海の60倍もの水が
生み出されているらしい。
いままでに宇宙で見つかった
最大量の水なんだって。
もし、
ぼくがそのずっと昔に
このオリオン星雲の
水蒸気のガス雲で生まれ落ちて、
それからすい星になって
長い長い旅をつづけて
きみたちの地球に
やっとたどりついたのかも…
なんて考えると、
なんだかさ、
気が遠くなりそうだね。
ぼくは水だ。
遠い遠い宇宙のずっと先で生まれて
雪だるまのようなすい星になって
きみたちの星にやってきた
きみたちがだいすきな
ぼくは水だ』
すっきり書き始められないので、もういちど原点に戻ってみることにした。1999年の4月、おれはこんなことを企画書に書いていたことになる。
ここからもういちど見直そう。
きみたちが太陽をいっぱい浴びながら
水遊びをしているときに、
きみたちの体をそっとつつんで
前に運んだり、回転させたり
きみたちが気持ち良くてしかたがないことを
いつもぼくがてつだっていること知ってたかな?
ぼくは水だ。
ぼくたちは
いろんなふうに姿を変えて
いつもきみたちのそばにいる。
ぼくは水だ。
丸まって緑の葉っぱの上ではねたり跳んだり、
夏の朝、まだきみが寝返りを打っているころに
できたてのクモの糸にみんなでぶらさがって
生まれたばかりの朝日を浴びるのが
大好きな、水だ。
のどが渇くと、
きみたちは水を飲む。
それはただの水だったり
ワインだったり
お酒だったり
炭酸水だったり
いろいろな姿やカタチをした水だ。
そしてうれしそうに
ため息をついたりするよね。
きみたちはどうして、
水を飲むと
おいしいと思ったり、ほっとするんだろう…。
きみたちは
うれしいときや
かなしいときや
くやしいとき、
涙を流す。
その涙も水でできている…。
涙にのってきみの体に入っていくと、
ジェットコースターの迷路のような
血管の中を血液が流れてる。
きみの体の中の血管は
ぜんぶで9万キロもあるんだ。
つまり日本列島の36倍もね。
それから、ひとつひとつの細胞、
そのすみずみが
水であふれているのがわかるよね。
きみたちはとてもたくさんの物質で
できているけど、
どれもすべてぼくたち水に溶けて
はこばれていくんだ。
きみの体の70パーセントくらいは
だから、水でできてるんだね。
この水はきみたちが大好きな
あの海の水と同じ成分でできている。
きみたちは体の中に海を持っているんだ。
この星で生きている
ほかのたくさんの生き物たちも
きみたちと同じように体の中に海がある。
きみたちが体の中に
海をもっているように
地球もまた、
太陽系の惑星の中で
ただ一つだけ
地表に液体の水が
存在している星だ。
地球は
表面の約70パーセントが
海でおおわれている
水の惑星なんだ。
きみたちの体もそういえば
70パーセントが水でできていたね。
水の惑星の上に何十億もの
[歩く水たまり]のようなきみたち
人間が生きているんだな。
おかしいね。
きみたちはずっと昔に
この海から生まれたらしい。
じゃ、海はどうやって生まれたんだろう。
それは46億年も昔のことだ。
ある日、太陽が生まれた。
誕生したばかりの太陽を
円盤状に取りまいていた
ガスやチリが分裂して、
10兆個くらいの微惑星を生み出した。
この微惑星の中には、
すい星とよく似た
氷の微惑星があった。
その氷の微惑星に
炭素や水素、窒素や酸素という
いのちの材料になる物質が
ふくまれていたんだ。
そしていつか大気が生まれ、
その中にふくまれていた
水蒸気が雨になって、
原始の海ができた。
この原始の海にとけている物質は
きみたちの体をつくっている物質と
よく似ていたらしいのさ。
きみたちの体の約70パーセントが
水でつくられていて、
その水は、海の成分とほぼ同じで、
海ができるためには
すい星とよく似た
微惑星が衝突する必要が
あったらしいと話したよね。
そう、ぼくは
すい星で運ばれてきた
のかもしれないんだ。
すい星は、
約80パーセントが氷でできた
ものすごく大きな雪だるま
みたいなんだけどね。
巨大な雪だるまがものすごい勢いで
宇宙を飛んでいくの、想像できるかな。
火の玉みたいだった地球に
雪だるまみたいなぼくがぶつかって
やがて海ができた。
海がきみたちの母親なら、
ぼくはきみたちのおばあさんかな。
地球から1500光年も離れた
オリオン星雲の近くに、
地球の質量の100万倍もある
水蒸気のかたまりが発見されたんだ。
ここでは毎日毎日、
地球の海の60倍もの水が
生み出されているらしい。
いままでに宇宙で見つかった
最大量の水なんだって。
もし、
ぼくがそのずっと昔に
このオリオン星雲の
水蒸気のガス雲で生まれ落ちて、
それからすい星になって
長い長い旅をつづけて
きみたちの地球に
やっとたどりついたのかも…
なんて考えると、
なんだかさ、
気が遠くなりそうだね。
ぼくは水だ。
遠い遠い宇宙のずっと先で生まれて
雪だるまのようなすい星になって
きみたちの星にやってきた
きみたちがだいすきな
ぼくは水だ』
すっきり書き始められないので、もういちど原点に戻ってみることにした。1999年の4月、おれはこんなことを企画書に書いていたことになる。
ここからもういちど見直そう。