改行がなきぬれる。
「改行がなきぬれる
しかばねが所存の無言を渡る

こいびとよ
あなたへの美称も涸れた
そしていまあなたに向ける蔑称は
必死に熟れつつ
透きかえる風のなか
あなたの岸をそれる」

  -荒川洋治「雅語心中」より-