かわいそうな出来事
歩道を歩いていると、車道の方から赤いものが飛んできた。

見ると、子猫が車にひかれたのだった。
比較的混んだ道だったので速度は出ていないのだが、次から次へと踏んでいった。
隣りとしゃべりながらであまり前を見てない車、ケータイで話しながらの車、分かって踏んでいく車、車の外のことには関心を持たない個人主義のなれの果てにも感じた。

早く走れば凶器になる車、歩く人間の十倍、走ればそれ以上もの面積を要しながら歩行者を邪魔だという車、それは車自身のことではなく、運転者そのものの人間性を現していた。

バラバラになってしまった子猫に対して、私は一言念仏を唱え、その場所を後にした。
そして、この子猫が私に教え伝えたものは大きかった。