七面祠
京都の松ヶ崎の涌泉寺と言う日蓮宗のお寺の近くに「七面祠」と言う祠があります。

七面祠には日蓮宗の守護神「七面大明神」(七面大天女)が祀ってあるそうです。

そもそも、七面大明神が祀ってある七面山は、甲州(山梨県)身延山にあり、この京都の松ヶ崎の七面祠はこれを模したものと思われます。

身延山の七面祠の伝説によると、日蓮聖人が甲州巨摩郡波木井郷身延で説法をしていると、一人の美しい女性が聖人の話に熱心に耳を傾けていました。

この地の有力者南部六郎実長ら は、この辺りでは見かけない人物なので、怪訝に思っていると、聖人はこの女性に向かって「皆さんが不審に思っているので、あなたの本当の姿を見せてあげなさい」と言いました。

その女性は「ほんの少しの水を賜りとう存じます」と答えるや、聖人は、そばにあった水差しの水を一滴、女性の頭に落としました。

すると女性は、たちまち龍の姿となり「私はこの七面山に棲む七面大明神といいます。身延山の裏鬼門に居て身延山を守護し、『南無妙法蓮華経』のお題目を唱える人々には苦しみを取り除き、心安らかに過ごせるよう絶え間なく祈念しているのです。」と云い終えるや天空に高々と舞い上がり雲の合間へと姿を消したそうです。

京都では、この付近は日蓮宗のお寺が多く、こちらでも七面祠が模されたのかも知れないですね。「

「眼病救護七面大天女道」と書いた石碑もありましたから眼病に御利益があったのかも知れないですね。

かつては女人禁制であったようですが、江戸時代初期に徳川家康の側室の女性がお参りする事があって女性にも解放されたそうです。

今は廃れた感じで水も枯れてますが、かつては滝行が行われたみたいです。

崩れて立ち入り禁止のようになってましたが、今でも信者の方はお参りするのかも知れないですね。