ある和菓子の物語
京都の洛北高校の近くに、宝泉堂と言う和菓子屋さんがある。

あずき等の和菓子が売り物のお店であるが、本店の近くには出来たてのわらび餅を味わえる茶房もあるそうだ。

この、お店の干菓子で「ほうせん」と言うお店の名前を冠したお菓子がある。

この、干菓子には、一つの物語があった。


以前に、京都の祇園の南座の近くに「きぬかけ菓舗」と言う和菓子屋さんがあった。

このお店の干菓子で有名なのが「洛味」と言う干菓子であった。

卵と和三盆で出来た干菓子で、四角い板状で自分で割って食べる上品な味わいの干菓子で、茶事などにも使われて人気であった。

しかし、きぬかけ菓舗のお店が後継者問題や諸事情でお店を閉めることになり、祇園のお店を閉めてしまった。

こうして、洛味と言う干菓子もお店と供に消えてしまったのであるが、始めに書いた宝泉堂にかってきぬかけ菓舗で修行されていた職人さんがいた。

その職人さんが、どうしても、このまま銘菓の洛味が消えてしまうのは惜しいと思い、お店と相談して、きぬかけ菓舗の関係者とも話して了解を得、洛味を復刻させ売り出したのが宝泉堂の「ほうせん」である。

こうして、消えたお菓子が復活したのはうれしい物があるね。

京都の老舗の和菓子屋さんでも諸事情で閉められるお店も増えているので、和菓子ファンとしては寂しく思うよ。