ウィキッド
グレゴリー・マグワイアの著書「ウィキッド」を読了した。

「ウィキッド:西の悪い魔女の生涯とその時代」と言うのが正式なタイトルだそうだ。

ウィキッドは、あの「オズの魔法使い」の中で西の悪い魔女として描かれた「エルファバ」を主役とし、その生い立ちを追いながら、どうして悪い魔女と呼ばれるようになったのか、本当に悪い魔女なのかを語りかける物語である。

ウィキッドはブロードウェイでミュージカルにされ、日本では劇団四季が公演していたし、またUSJでも短縮版が公演中で人気である。

ちなみにUSJ版はウィケッドであり劇団四季のがウィキッドとなったのは、USJ版の方が先にウィケッドと名付けて始まったので、劇団四季の方は一字変えてウィキッドとしたと言う。

さて、その原作であるが上下二冊もあるボリュームで、その内容はかなりハードであり重い内容なので、子供には不向きだと思う。

エルファバは緑色の肌で生まれてきたために、すぐに殺されそうになったり両親からもうとまれたり、いろいろな差別や偏見の中で育っていく。

たぶん人種問題とか階級社会とかいろいろな問題をはらんでいるのであろうし、性描写や殺人とかいろいろとあって、読んでいて気分が沈んだりしたものだ。

読んでいると、良い魔女のグリンダとか嫌な奴に思えてくるし、ドロシーとかも好きになれなくなるよ。

ミュージカル版の方は、おそらく原作がダークなのでをずいぶんと変えて親しみ易くしているのだろうと思う。

読み終えて心の中に何かしこりが残るような重い作品であった。