2024年12月の記事


絹ごしの雨



ぽつぽつ静かに
絹ごしの雨が降る。
道端の雑草が青々と見ゆる。

少年が親に叱られ泣いて居た。
其の泣き声が散歩道迄聞こえる。

男の子は泣いては駄目!
泣き声は止まらない。

それでも泣きたいなら、じっと隠れて
雲から突き出た山頂で、

星を見上げてそっと泣きなさい。
少年は素直に真っ直ぐに育ってくれれば良い。

どんなに悲しい事が有っても、
明日を信じて生きようね。
叔母さんと一緒に御家に帰ろうね。

そういう私も泣きたい。
泣き友の面影が残っている。
呼び戻せるものなら呼んで来たい。

しかし命は何時かは消えるもの。
相応しい裸木と冬の空。
あゝ冬の裸木、

葉も一ひら二ひら残っているだけ。
枝は勢いづいているが、

私も新しい季節の誕生が寂しい。
しとしと静かに絹ごしの雨ふる宵。
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有難うスーちゃん
最初の坂道を急ぎ足で20分位登ると、次の坂道は長い。
幾ら上を見たって商店街は見えない。

其の長い坂道を私の足で歩けば30分は掛かり、
商店街も坂道ばかりで一回目の交差点の前に着く。

8分位待ち友達のスーちゃんが駐車場に車を留め、
左手を振って笑顔で歩いて来た。

「こんなに長い急な坂道へ如何して引っ越したの?」
「スーパー」の近くに引っ越せば良かったのに。。」

私は迂闊だった。
主人の好きな町に任せておいた呑気な自分が愚かだった。

丘の中腹にある自然がいっぱいの住宅地で、
草原の中に鉄骨のビルが建っているものの、

草原にはトカゲや蛇等の爬虫類がいる事は
何より嫌だったが一ケ月半も済めば諦めている。

狭い庭の緑に囲まれた住まいだけが癒してくれ、
壱メートルもある鉢植え3個に水を掛けた。
他の鉢植えにも水を撒いて置いた。

スーちゃんとパスタを食べてお喋りをした時、
何時ものようにあの話し方、優しさが表情に出て、

どんな事が有っても気持ちが楽になり癒される。
彼女の言葉はどんな良薬より薬になる。

沖縄でスーちゃんに出会って本当に良かったと、
何時も心の中で感謝している。

他の友達も居るが皆さん優しくて思いやりが深い。
「お料理造りのお仕事が終われば、何時でも迎えに
来るわ。」疲れている彼女とは休日に逢う事に決めている。

早朝出勤で疲れて居ても「疲れた。」等と言わない。
私は何故か目頭が熱くなり涙が溢れ、
隠す為に鼻をかむ。  

一生独身で生活する気持ちで頑張っている彼女。
人間其々、色々な生き方がある。

毎月逢う事を約束して自宅へ送って貰った。
ありがとう!スーちゃん!
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