2021 10/03 18:09
Category : 10月3日

水辺にカモメが飛び降りて餌を探している。
小菊を作っている農家を知っているので小菊を見て可愛い花だと思う。
伊藤左千夫の「野菊の墓」の話を昔、父に聞いた事がある。
昔、昔、その昔、
「まだあげ初めし前髪の」年頃の文学少女が、
胸に秘めた想いを言葉にする事もできず、
憧れの君にそっと一輪のりんどうを手渡した。
返礼に野菊を期待して、、。
しかし美少年は文学には馴染みがなかった。
少女の初恋は、儚く消え去った。。。。。
後に「野菊の如き君なりき」というテーマで映画化されたとの事。
私は、そんな野菊の事を思い出しながらお仏壇に小菊を飾った。
そろそろ菊の花が咲くころ。
朝晩は冷え込み日中はまだ汗ばむ陽気、温度差が大きい。
夕暮れ時の海は波音だけがざぶざぶ聞こえ、
カモメがキイキイ鳴くばかり。
寂しくならないように陽光の眩しい昼の海を散歩する。
やる気がでて気持ちが明るくなれる。
小高い山の湯に行っても海は何処迄も続く。
黄ばんだ樹木の葉がぱらぱら落ちて、
私の顔の前にヒラリと舞う。
柿の葉も強風にはらはら散れば
大きな富有柿が顔を出し一個二個三個と数える。
家族が沖縄に行く気が無いような気がしてならない。
彼女と別れるのが寂しいのか、
私には彼の心は分からない。