2017年05月の記事


青々と



桜が満開の頃は真っ赤に染まった血潮紅葉が
色を変えて青葉になり始めた。

その青葉を見て居たら雨がポツンと目に落ちて、
素早く目を閉じ手で拭いた。

時節は小満に入り秋に巻いた麦の穂が育ち、
ほっと一安心すると言う意味らしい。

これで小さな満足という名が付いたと言われる。
暦の上では夏の始めで徐々に暑さが感じられる。

田植えの終わった田圃は水浸し、
鳥達が水辺に遊びに来ていたので
手招きをすれば逃げて行く。

三日前に家族が直径15㎝位の亀を川から拾ってきた。
亀は、這いあがるので深い桶に入れて網を張って置く。

亀が川に生息する訳がないから、おそらく
誰かが飼っていた亀が逃げてきたのではと思う。

疲労困憊の一昨日、昨日から主人の度重なる眩暈、
青々とした庭の木々に降る雨も冷たく感じた。

私の部屋の二階から波の音を聞けば
何か良い案が思い出せるかと思い、

五感を全て耳に集中させ、
ひたすら波の音を聞いていた。

明けて今朝5時半起床し窓を開ければ
眩しいばかりの陽光がキラキラ輝いていた。

快晴の空よりも青い海、爽やかな風の音、
心も晴々とする心地よい日中になる。

塾の講師になりたい主人は「英語検定」の試験が近い。
今日は普通に歩けても直ぐに横になる。

椅子に座ったまゝで居るため眩暈にはよくないと思う。
しかし、私は彼が問いかけた時だけ返事をし黙して語らない。

ぱらぱら落ちていく柿の花の下には小さな柿の実が、
しっかりと風に飛ばされぬようにしがみついている。

早苗田に 逆さに映る 家並みに 明かりが灯る 初夏の宵
Sakura1205
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走り梅雨
小鳥のさえずり、新緑の季節は清々しい。
親友に会った帰り遠回りして野原を散歩して来た。

陽気が良くなり麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始め、
紅花が盛んに咲き始める。

西日本では走り梅雨が見られる頃。
そういえば曇ったり時々晴れたり雨が降ったり、
天気がくるくる変わっている。

野原にはツツジに似た花が一本の木から
赤、白、ピンクと多彩な色模様で咲いていた。

農家の人は田植えをする前の準備をし、
鴎が大きな羽を得意そうに広げ青空を舞っていた。

今日は抜けるような空だから鳥達も嬉しそう。
沖縄生活を呑気に暮らしていた主人も
リフォームで忙しく機嫌が悪い。

忘れ物やミスをすれば「お前のせいだ!」
必ず責任転嫁し激怒する事数回。

正しい事を反論しても余計に怒る為、
何も言わず黙々と暮らしているだけ。

世の中もある国がミサイルを飛ばした、
○がやられた○は怒り、顰蹙(ひんしゅく)に沈んだ。

ある国は,すべてを雑草の如く未来を打ち砕き空虚にした。
傍若無人の限りを残した国もある。

此処は長閑で平和な田園地帯が永遠に続くと思う。
ぐんぐん伸びる草木の芽、茎、大きく広がった葉。

見据える未来、思いっきり陽光を浴びて
両手を広げれば平和な国に産まれた事に感謝。

松林から潮の匂いと波の音が聞こえ、海も穏やかである。
私は日本に産まれて良かった。

緑の野辺に可愛い花を摘み取って心地よい立夏も後僅か、
暦は速く、もうすぐ二十四節気の小満を迎える。
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潮騒の町
9日の午後、空港からバスや電車、タクシーを乗り継いで、
故郷の駅に降りた時、微かに潮の匂いがする。

あゝやっと海辺の町に着いたわ!
両手と背中の荷物を下ろして楽になれる。

そう思い門から玄関に入る迄が草茫々で
これは予想以上に大変だと汚さに驚く。

早春に咲いていた菜の花も相当丈が伸びて、
蜘蛛の巣が張りそこから黴が生えたようになっていた。

うっそうと茂る銀杏の木の下に小雨がぱらぱら降り出し、
家に付いてから雨に降られて幸運だと思う。

蒸し暑さに慣れた身体には風雨が肌寒く感じ、
彼がまだガスは使うな!入浴等出来る筈がない。

安心したせいか疲れがどっと出て
部屋の片づけを少しして眠ってしまった。

深夜未明、強い雨音に目覚めると打ち寄せる波の音、
潮に引かれ砂や石ころがザーッと音を立てる。

誰も居ない二階で疲れていた私は再び眠った。
競歩が大学で一番早かった彼は何時でも先に行き、

小柄な私は何時も後を追いかけて走って行く。
歩調を合わせてくれる優しさ等は全くない。

帰郷して3日目に晴れ29℃まで気温が上がり
強風が吹き荒れるなか草取りを始めた。

夕暮れになると急に涼しくなり、
夕食の為の買物に自転車を走らせる。

電気自転車でも今日は重く感じて帰りの向かい風に
負けじと足に力を入れると身体の力が抜けていく。

5月は爽やかな春風が吹き柿若葉が陽光にキラキラ光り、
傍に寄れば柿に小さな花が咲いてきた。
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藤の花



今頃の内地は藤の花が甘い香りを漂わせ、
長い蔓に紫色の藤が五月の風に流れるように咲いている。

その香りは少し離れた場所まで強く、一輪一輪は小さく、
これらが房になり凛とした存在感のある藤の花。

野田藤、薄べに藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤
きばな藤等の種類があるが、私は薄べに藤が好きである。

その中央には池が有り、鯉幟が風に大きく泳いでいた。
5月上旬は、何処に行っても鯉幟が泳いでGWと言う感じがする。

内地に引っ越さずに沖縄でやって行こうと思った1日の夜、
近隣市のアパートの入居者が退室すると連絡が入った。

今年も北海道に行けなくなるかも知れない。。
主人は呟きながら忙しくなる事を予想し、私の顔色を見る。

2日間、会話もなく暮らしていたが、猛暑のなかで
リフォームをする彼を知らん顔してみて居られるだろうか。

仕事が終わり帰宅したら食事が直ぐに食べられるように、
私に家に居て貰いたいと彼の顔に書いてあった。

しかし、昨日彼女とランチをして来た夜に、彼は言った。
早く仕事を終わらせて一ヶ月半でも北海道に行く!

行きたければ行けばいいし人の話等聞く人ではない。
彼がテレビを見ているときに話しかければ黙れ!
怒るので会話をしないことが一番いいと思った。

嫌な思いをしながら夏を過ごすかと思うだけで
つまらない生活になってしまうから、
家事をしながら趣味に没頭しよう。

海辺の夕暮れ時は涼風が吹いても寂しいもの。
どうしよう、この一ヶ月間迷うばかりで何も捗らない。

五月の沖縄の夜は暑さで玉の汗が迸る。
五月から30℃では真夏はどの位蒸し暑いのか、
風がなく湿度が高いと友達に聞いた。

彼が北海道に行く気持ちがはっきり判った今では
なるようにしかならない。

故郷の海や川そして躑躅や藤の花は私を裏切らない。
帰郷する日数は後僅かしかない。
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