さようなら水無月
天候がくるくる変わり、曇り後晴れその後気温が7度下がり、
半袖から七分袖に着替えた。

再び雨が降りそうな暗い空に小鳥達が何かを求め、
飛び交っていた。

海に向かって歩いて行けば主人の学友である先生に出会った。
「先生、お久しぶりですね。」私が笑顔で話しかければ、

「あっこんにちは。」今春65才まで教師をし、
4月から農業をしながら2日だけ学校に行っているとの事。

60才で中学校長を退職した後5年間は教師として
勤務していた働き者である。

母子家庭で育ち、苦労した先生とお話をするとホッとする。
昔、主人と同じ高校だった先生は予備校も同じ所に通い、

主人達は電車で通い、先生は貧しさ故に線路道を歩いて通った。
次の駅そして次の駅も歩いて通った先生は愚痴もこぼさず、

他の学友より早く家を出て予備校で勉強した話は聞いている。
先生もお母様も弟達の世話をしながら大変だったと思う。

大学卒業後、先生は中学教師の道を選び、今でも親孝行で、
苦労して国立大学に入れてくれたお母様を大切にしている。

人間らしい味があって先生とお話すると心が癒され、
こんな方と一緒になれば良かったと思う。

主人よりずっと老けて見えるが、態度や言葉使いに
優しさが溢れて誰にも好かれる方である。

7日の深夜、帰宅した主人は玄関先で何度もドアーを
壊れたかのように触り、中々室内に入って来ない。

家に入りずらいのは分かっていたが黙して語らなかった。
考えてみれば病気で寝ているよりも元気で旅をしてくれた方がいい。

あんな主人でも急死でもしたら、私はもっと苦労をすると思う。
女一人で生きていく苦労は嫌というほど知っているから。

もう数時間で水無月が終わり、明日から文月に入ろうとしている。
月日は駆け足でどんどん過ぎていく。

編集 sakura1205 : ハルさん、お早うございます。いつも遊んで頂き有難うございます。用心棒が家にいれば安心です。私は主人を夫とは思えないの。本当の用心棒替わりです。そして同居人。できるなら一緒に住みたくないけれど、残りの人生は良く考えないとね^^。
編集 ハル : 今年も半年過ぎちゃいましたね。ご主人可愛いところがあるんですね。安心しました(笑)。 sakuraさんがおっしゃる通りだと思います。元気でいてくれるのがい一番ですね。《亭主達者で留守がいい》と云うことで。