夜風
日中は汗ばむ陽気でも夜になれば冷んやりした風が吹いて、
明日はぐんと気温が下がる事を知った。

沖縄に来て初めて一人で夜道を散歩し、
風の強さに少し冬が残っている感じがした。

冬季に寒い日が三日ほど続くと、そのあと四日ほど温暖な日が続き、
再び寒くなり7日周期で寒暖が繰り返される三寒四温かと思った。

近年では、春先に低気圧と高気圧がやってきた時の気温の周期的な変化と
いう意味で三寒四温といわれている。

小雨がぱらついている事も気にせず夜道を歩いた。

何となく足が空気の上を歩くような宙に浮いた感じで
自分が情けなかった。

足がしっかり地に付いていない事が悲しくて涙がこぼれた。
医師はもう通院しなくていい、自分で努力してね!
笑顔で語ってくれた。

真っ暗な空を見上げて、どうしたら今迄の私になれるか教えて!
川の水が増えたわ、満ち潮になったんだわ。

その川の水は涙をいっぱいためて流れてはいない。
川の水は明日になれば大きな海に帰れるのだからいいじゃない。

夜風に吹かれて「只今~」笑顔で住まいに戻れば小雨もやんだ。
雨が降ろうが風が吹こうが暇をみては歩こう。

焦ってはいけないと自分に言い聞かせてお風呂掃除にかかる。