川のせせらぎ 
昨夜は、船の汽笛も波の音も何も聞こえぬ静寂な夜だった。
カタカタと小さな風の音にふと眼ざめ、

時計を見れば午前3時半、外はしらじらと明ける気配。
もっと睡眠をとらなければと、寝返りを打って再び眠った。

結局、朝寝坊をして7時起床。
晴れそうで中々晴れない曇り空。

梅雨の空模様はよく変わるもの。
思いもしない小雨がぽつぽつ降り出した。

その小雨も急に止み、太陽が顔を出して晴れの日中になり、
マイバックを持って近くのスーパーに買物に行く。

買物が済むと棚田のある方角にしぜんと足が向き、
川のせせらぎを聞きながら歩いて来た。

何時もの年とは違い、今年の夏は電力不足が心配だから、
暑い夏がきたら川のせせらぎを聞きに来る事にした。

あと一ヶ月もすれば蛍が出てくる頃、でも省エネを考えて
団扇、扇子、扇風機だけで暮らそうと思う。

この前、亡くなった未亡人のお宅の玄関先に
薄ブルー、薄ピンクに色づいた紫陽花がいっぱい咲いていた。

奥様が育てた紫陽花が、今年も見てね!とささやくように。
うっそうと茂る庭から真っ青な風がすーっと通り抜けていく。