木の葉髪
三陸沖に中心を持つ高気圧に覆われて、
曇りのち晴れの暖かな日中だった。

身体を動かしていると汗ばむ程で腕まくりをしながら
近所の方に出会うと「こんにちは!暖かいですね。」
どうしてもお天気の挨拶になってしまう。

主人の大きな自転車に乗って買物に出かけて来た。
徒歩7分位の近くにあるスーパーに
自転車に乗って行く横着者の私である。

隣近所の人達には、主人が不在である事は判らないように、
何時も通りに行動している。

「グランドゴルフはどうですか?ゲートボールはどうですか?」
「アパートの退室の件で。。」不動産屋さんから電話がくる。

中古アパートは家賃を安くしても、退室する人が多く、
家賃を数カ月滞納しても、彼はうるさく言わず様子をみている。

私は暇を見計らい、気になっていた髪型を美容院で揃えて貰い、
マニキュアを明るい色にして貰い、すっきりした。

昔から髪だけは気を使い、「何時も髪を小奇麗にしているね。」
近所の人に言われる。洋服は古着を捨てられない貧乏生。

抜け毛が目立つこの初冬に、髪を同じく初冬に散る木の葉に
なぞらえて「木の葉髪」とのこと。

そう言えば数日前、テレビの俳句教室で「木の葉髪」というテーマを
少し見たような気がする。暗いイメージなので好きではない。