白い花 赤い花
白い花摘んで あの人にあげよ、
あの人の髪に この花さしてあげよ、

赤い花 白い花 あの人の髪に
咲いて乱れるだろう お日様のように。

白い花なら何の花 咲いて寂しい白百合よ、
赤い花なら何の花 散って悲しいバラの花、

あゝ人の世と何故か似ている、
美しき時は短いもの。

あわあわと流れる水に川面に寄りそって咲いている白い秋桜、
そして山肌の風に揺れている赤い秋桜。

過ぎゆく時節の中でほんの一時期でも奇麗な姿を見せたい故に
折れそうな細い身体で精いっぱいに咲いている。

この秋がくるのをずっと待っていたのでしょう。
一日でも多く咲かせてあげよう。

白い花摘んで あの人の首飾りにしてあげよ。
赤い花摘んで あの人の髪に飾ってあげよ。


photo by sakura1205 from