静かな雨 
昨夜は、二人がテレビを見ている間に片づけを済ませ、
お風呂掃除をして居間に戻ると、
雨が静かに降り出した。

その雨は春の雨のように優しくしとしと降り続け、
一晩中降っていたと思う。

「頭が痛い、血管が切れたようだ。」主人が呟いたので心配をして
いたが、血管が切れゝば会話等出来る訳がない。

暫くするといびきをかいて眠っていたので普通の頭痛かと判断をした。
「お前に何時か、殴られた事が原因だ。」そんな言葉が繰り返し
出てくる。

確かに取っ組み合いの喧嘩をした事は数回あったけれど、
私の細腕で彼の頭を殴ったのが原因だとは思えない。

私を数え切れないほど苦しめ泣かせてきたのだから、
たまに頭痛が有っても天罰が当たったと思えばいい。

今朝5時起床し、朝食の支度を済ませ6時前にプラ包装容器を
表通りまで出して来た。その頃は一時的に雨は止んでいた。

静かに降り続いた雨は午後3時過ぎには上がり、
半袖ですごせるほど汗ばむような晴れの天気になる。

草の上に雨粒がダイヤモンドのようにきらきら光って、
その雨粒に触れゝばふわっと消えてしまう。

秋の空は青く澄んで美しく、白鷺が大きな羽を広げて飛んだり、
水辺に下りて餌を探す光景は毎日のように見られる。