さみだれ 
しとしと静かに五月雨が降っていた今朝5時起床。
次女が、青森へ二泊三日で結婚式に出席する為、

彼女は久しぶりの旅行に室内を慌てゝ走り周り
5時50分に主人が車で最寄の駅まで送って行った。

私は、ゴミ置き場まで傘も差さずに可燃ゴミを出して来た。
五月上旬に降る五月雨は、音もなくしっとりと大地を濡らし、

富士も山々も何も霞んで見えない。
カモメが3羽集まり、きいきいと賑やかな鳴き声をあげて

雨空を素早く飛びまわり知らぬ間に消えてしまった。
昨日までの暖かさが嘘のように、風がすうすう吹いて

樹木の青葉を揺らしている物静かな朝だった。
五月雨は午後になっても止む事はなく、

うっとうしいほど降り続けている。
私は、友達から電話がきたので新玉葱を持ちきれないほど抱え、

冷んやりした五月雨の中を歩いて帰る途中、
友達の優しさに雨粒よりも大きな涙がぽつりと落ちた。

幸福なご夫婦に会うと自分の心まで幸福になる感じがする。
五月雨は青葉だけではなく、人懐こく私に微笑みかけてくれた。