ざわざわと風にゆれ
深夜、眠る頃、僅かに生き残っている蛙の鳴き声が聞えていた。
今朝5時過ぎ起床。餌を求めて声を嗄らしたカラス、雀のさえずりを

微かに聞いた。其れよりもこの時期は、蝉がうるさいと思う程
賑やかに鳴いて眼が覚める。

特に桜並木の傍で鳴く蝉達の合唱は、とても暑苦しく感じる。
太陽の照りつける真夏日の日中に、近くへ外出した時、日焼け防止の為、

長袖を着て歩いていた私は、汗がほとばしり、ボーッとする予感がした。
すぐに、近くの木陰で10分くらい休憩すると元の自分に戻った。

美容院の友人宅で1時間半程度過し、夕方涼しくなる頃、自宅に向かったが
コンクリートは太陽の熱で暑く、この辺の向日葵等も枯れはじめている。

水田の苗だけは、伸びて微かな風にざわざわ音をたてゝ揺れ、涼しそうに見えた。
7時に、なれば少し日が短くなったのか、辺りが薄暗くなってくる。

緑の水田、濃紺色の山々、真っ青な空に、星がきらきら輝き、
明るい夜空に近所の人達の明るい笑い声が聞える。

静かな夜だわ! そう思っている間に、生き残っている蛙がけたたましく
鳴き、最後の命を精一杯に途切れ途切れに鳴く哀れさを、ふと思う。