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夕暮れ時の交差点

    
信号待ちのひとときの中

    
かわいい着信音に

    
女の子が 慌てながらケイタイを開く


    
どんなメールだったのだろう
    
    
さっきまでの つまらなそうな顔が

    
いきなり明るい笑顔に変わる


    
それを見ていたきみは


送り主にあの笑顔を 返信できたらいいのにね

    
と同じ笑顔で僕にささやく


    
やわらかな風が流れ

    
時は優しく やがて信号を青に変える


    
女の子がかけてゆく


    
ほんの小さな幸せを この僕らに届けながら
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親愛なる風の人へ

久しぶりにあなたを街で見かけました。
あなたは、あんな何気ない陽だまりの中にいて
まるで、人生の終わりを悔いのないように
微笑んでいるご老人のように見えました

でも、お元気そうで安心しました

僕は少しだけ、会釈をして通りすぎましたが
あなたは相変わらず、静かに佇んでいるだけなのですね
でも、それがあなたらしくて、ほんの少しだけ、僕は微笑んでいたかもしれません
もしも気分を害したなら、ごめんなさい

僕は、よく晴れた午後の昼下がりの中、ひとりきり、歩いていました
特に何か目的があった訳じゃないのですが、冬の影がいくつも長く伸びていて
まだ午後2時だというのに、夕暮れのような寂しさに、思いっきり泣いた後のような
そんな気持ちが、この心をいたずらに乱してしまうようです

不意にパタパタとスズメたちが、見知らぬ家の玄関先の
あなたの陽だまりに集まってきました。
なんだろうってとても不思議に思っていたら
そこに何かエサのようなものがまかれてあったのですね。

あんなやさしい気持ちもあなたが、差し向けたものなのですか?
スズメたちは、それを感謝している訳ではないのでしょうけど
それを見ていた僕のほうが、何かに感謝したくなりました

  ありがとう・・・ 

あなたには、この言葉がよく似合います。
もしかしたら、その言葉そのものが、あなたかもしれない

なんて、そんなあたたかな冬の昼下がりでした


   親愛なる風の人へ


それではまた、手紙を書きます
   
心から、ありがとう
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今、帰って来ました
いつもの事だけどね

明かりのついてない部屋を見ながら
きみが生きていた頃は、帰るのが
あんなに楽しかったのにね

きみはいつも玄関を開けると
お仕事お疲れさまて、いつも言ってくれたね

疲れなんか、皆忘れてしまうんだ
きみのやさしい言葉でね
そしてやさしい笑顔でね

あんなに幸せだったのに・・・

ごめんね
又、弱音言っちゃったね

きみの声が聞きたいな

聞きたいよ・・

お仏壇のきみはいつも笑っているね

たまには怒った顔も見たいよ

僕の声聞こえましたか・・・・
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世界中

世界中の涙が泣いてるような夜は

  
どうかきみの声を聞かせて

   
もしもきみも哀しくて どうにも声にならなくても

   
ちゃんと僕はきみに きみに必ず微笑むから


   
子供の頃のように 待ち遠しい明日が来るといいね

   
ためらうことなく その手を伸ばして

   
抱きしめられたらいいね


   
たぶん僕らは ひとりでいることに なれてしまったから

   
誰かのぬくもりが 優しさだと 気づかなくなったのだろう


   
世界中の涙が泣いてるような夜は

   
きみの声を どうか聞かせて

   
僕はきみを抱きしめて そのぬくもりを思い出すから

   
きっと 思い出すから
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夢を見よう

どんなにダメな自分であっても

   
もう一度 子供の頃の夢を見よう

   
どんなに今が違っても

   
あの頃の笑顔に戻れるように


どんなにダメな自分であっても

   
もう一度 夢を見よう

   
どんなに今が違っても

   
夢はいつも いつも

   
先に必ずあるから
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