2003年10月の記事
2003 10/31 20:49
Category : 日常詩
どの写真を見ても
わたしは同じ服を着ている
いつでもそれは
記念写真だったから
お気に入りの
お出かけ着を着てすましてる
いつでも
父は写っていない
弟とふたりだけの写真
母が、父の隣で笑っている
覚えているのは
そんな情景
アルバムには残っていない思い出
わたしは同じ服を着ている
いつでもそれは
記念写真だったから
お気に入りの
お出かけ着を着てすましてる
いつでも
父は写っていない
弟とふたりだけの写真
母が、父の隣で笑っている
覚えているのは
そんな情景
アルバムには残っていない思い出
2003 10/31 20:44
Category : 詩惑抄
結果を出せずに終る
物置に放り込まれた
プロジェクト
いつのまにか
埃まみれになった人生も
磨けばすこしは光るかも
タイムリミットは
明日
いつまでも 明日が
タイムリミット
物置に放り込まれた
プロジェクト
いつのまにか
埃まみれになった人生も
磨けばすこしは光るかも
タイムリミットは
明日
いつまでも 明日が
タイムリミット
2003 10/28 19:42
Category : レンアイ教授
なかなか終らない
恋の行方に
青色吐息
じれったくなるわたしを
楽しんでいるあなたが見える
秋雨は
頭を冷やせと言わんばかりに
リズムはシンコペーション
雨量はメトロノーム
雨足はゆっくり
あなたへ近づいているのに
傘は届かない
あなたに差しかける傘は
誰の手なの
恋の行方に
青色吐息
じれったくなるわたしを
楽しんでいるあなたが見える
秋雨は
頭を冷やせと言わんばかりに
リズムはシンコペーション
雨量はメトロノーム
雨足はゆっくり
あなたへ近づいているのに
傘は届かない
あなたに差しかける傘は
誰の手なの
2003 10/26 10:48
Category : 風待ち
変速ギアを高速チェンジして
季節が変わる
少女たちのけだるげな歩速は
足早になり
ショウウィンドウのマネキンたちは
紳士淑女になる
営業帰りの男たちの笑顔は引きつり
立ち話の主婦は、時間を捕捉し始める
季節はときおり
いたずらっぽくシフトを変えて
呆れ顔の人々を笑う
寒暖の行き来も季節のトランスミッション
季節が変わる
少女たちのけだるげな歩速は
足早になり
ショウウィンドウのマネキンたちは
紳士淑女になる
営業帰りの男たちの笑顔は引きつり
立ち話の主婦は、時間を捕捉し始める
季節はときおり
いたずらっぽくシフトを変えて
呆れ顔の人々を笑う
寒暖の行き来も季節のトランスミッション
2003 10/26 10:34
Category : 日常詩
雑踏の中を急ぎ足で歩く
自分の存在をかき消すように
見知らぬ人々を
確めるように辺りを見回し
もう一度
人ごみの中に紛れていく
聞き覚えのある音楽と
見たことのあるポスターと
見慣れたシチュエーションと
嗅ぎなれた匂いと
身に覚えのある日常と
全てが混沌の中に呑まれていく
逃げ出す事が良策なのか
とどまる事が好運なのか
答えを探し出す気力もなく
街角を散策する
自分の存在をかき消すように
見知らぬ人々を
確めるように辺りを見回し
もう一度
人ごみの中に紛れていく
聞き覚えのある音楽と
見たことのあるポスターと
見慣れたシチュエーションと
嗅ぎなれた匂いと
身に覚えのある日常と
全てが混沌の中に呑まれていく
逃げ出す事が良策なのか
とどまる事が好運なのか
答えを探し出す気力もなく
街角を散策する
2003 10/21 15:34
Category : レンアイ教授
なんの気負いもなく
極自然に
彼女の手はあいつにからみつく
嫉妬を感じる暇もなく
彼女は笑いながら
話し掛けてくる
極自然にあいつが
彼女を抱いた話をしたとろで
あたり前すぎて
嫉妬する事すら忘れて
とりあえず
あいつとわたしの関係は
いったいなんだったんだろうと
疑問に思いつつ
惰性で繋がったままでいる
彼女は、そんなことは
気にもせずに
彼女のままで 笑っているだけなんだ
そう 彼女は女神で
邪神で くったくのない妖女
極自然に
彼女の手はあいつにからみつく
嫉妬を感じる暇もなく
彼女は笑いながら
話し掛けてくる
極自然にあいつが
彼女を抱いた話をしたとろで
あたり前すぎて
嫉妬する事すら忘れて
とりあえず
あいつとわたしの関係は
いったいなんだったんだろうと
疑問に思いつつ
惰性で繋がったままでいる
彼女は、そんなことは
気にもせずに
彼女のままで 笑っているだけなんだ
そう 彼女は女神で
邪神で くったくのない妖女
2003 10/06 08:02
Category : 物語
ぼくの目の前には
手足が細すぎて
自分で立つ事すら
できないんじゃないかと
思えるような
少女がいるんだ
そんな心配をよそに
彼女は歩けるし
聞き取れないほどの
小さな声でわがままさえ言う
でも、彼女は
三日間、食べず飲まず
無理やり食べさせても
吐き出してしまう
生きようとしていない
ぼくが彼女に伝えたいことは
「生きていてくれ」という言葉だったが
彼女には無意味な言葉
彼女がほしかったのは
「愛している」という言葉
何度も何度も
同じシーンを頭の中で繰り返して
ぼくは考えているんだが
彼女はぼくを
愛してくれていたのだろうか
――――――――――――― 夏に5日間一緒に過ごした脳性マヒの少女に捧ぐ
手足が細すぎて
自分で立つ事すら
できないんじゃないかと
思えるような
少女がいるんだ
そんな心配をよそに
彼女は歩けるし
聞き取れないほどの
小さな声でわがままさえ言う
でも、彼女は
三日間、食べず飲まず
無理やり食べさせても
吐き出してしまう
生きようとしていない
ぼくが彼女に伝えたいことは
「生きていてくれ」という言葉だったが
彼女には無意味な言葉
彼女がほしかったのは
「愛している」という言葉
何度も何度も
同じシーンを頭の中で繰り返して
ぼくは考えているんだが
彼女はぼくを
愛してくれていたのだろうか
――――――――――――― 夏に5日間一緒に過ごした脳性マヒの少女に捧ぐ