「街角」
雑踏の中を急ぎ足で歩く
自分の存在をかき消すように
見知らぬ人々を
確めるように辺りを見回し
もう一度
人ごみの中に紛れていく

聞き覚えのある音楽と
見たことのあるポスターと
見慣れたシチュエーションと
嗅ぎなれた匂いと
身に覚えのある日常と

全てが混沌の中に呑まれていく
逃げ出す事が良策なのか
とどまる事が好運なのか
答えを探し出す気力もなく
街角を散策する