2002年08月の記事
2002 08/29 22:16
Category : 詩惑抄
山を治め
水を治め
小石をもて
龍の穴を塞ぐがごとし
山河を
治められるほどに
にんげんは有能ならずや
奢りも儚からずや
山は怒り
河は唸り
鎮むる力は
天にあるのみ
だが
かの祈りも
何時ぞ
聞き入れらる
水を治め
小石をもて
龍の穴を塞ぐがごとし
山河を
治められるほどに
にんげんは有能ならずや
奢りも儚からずや
山は怒り
河は唸り
鎮むる力は
天にあるのみ
だが
かの祈りも
何時ぞ
聞き入れらる
2002 08/24 23:31
Category : 詩惑抄
ただ 逃げ道を探す
世の中のせいにして
世間のせいにして
社会のせいにして
システムのせいにして
親のせいにして
大人のせいにして
誰かのせいにしたら
自分がいらなくなる
いなくなる
もう どうでもよくなる
もう どうでもよくなったら
いらない荷物は放り投げて
とっとこ 自分の行きたい道を
歩いていこう
届いた手紙を握りしめてさ
答えはそのうち 見つかるさ
重い荷物も持てるようになるさ
そしたら
置いてきた荷物を
取りに戻ろう
世の中のせいにして
世間のせいにして
社会のせいにして
システムのせいにして
親のせいにして
大人のせいにして
誰かのせいにしたら
自分がいらなくなる
いなくなる
もう どうでもよくなる
もう どうでもよくなったら
いらない荷物は放り投げて
とっとこ 自分の行きたい道を
歩いていこう
届いた手紙を握りしめてさ
答えはそのうち 見つかるさ
重い荷物も持てるようになるさ
そしたら
置いてきた荷物を
取りに戻ろう
2002 08/24 11:41
Category : 風待ち
ただひとり
走らせる山道を
セミの声が追いかける
対向車もなく
前後を走る影もなく
山の風と一体化したように
ハンドルを切る
曲がりきったカーブには
蒼なる雲海が静止する
道標に表わされた走行車線は
大気との境界
走らせる山道を
セミの声が追いかける
対向車もなく
前後を走る影もなく
山の風と一体化したように
ハンドルを切る
曲がりきったカーブには
蒼なる雲海が静止する
道標に表わされた走行車線は
大気との境界
2002 08/17 19:19
Category : 風待ち
枝揺らぐ音
葉ずれのデシベル
星々の瞬きは
虫の足音さえ際立たせる
洞に落ちる水滴
地から響く
天然の水琴窟
水の流れ
風のざわめき
行く先は 海原
葉ずれのデシベル
星々の瞬きは
虫の足音さえ際立たせる
洞に落ちる水滴
地から響く
天然の水琴窟
水の流れ
風のざわめき
行く先は 海原
2002 08/16 18:16
Category : 風待ち
宵待ち草に
ほの明るさを
ゆだねて下駄の
足音軽く
打ち上げ花火の大輪のように
少女の笑顔はあでやかに
浴衣の帯は蝶のように
漆黒に咲く火花は
真夏の夜の夢
ほの明るさを
ゆだねて下駄の
足音軽く
打ち上げ花火の大輪のように
少女の笑顔はあでやかに
浴衣の帯は蝶のように
漆黒に咲く火花は
真夏の夜の夢
2002 08/15 15:53
Category : 詩惑抄
命を喰ろうて
生き長らえる
生くるためなら
邪にもなろう
悪にもなろう
殺すのであれば
喰ろうてくだされ
腹がくちるほどに
骨の髄までしゃぶって
くだされ
魂の浄化なすまで
生き長らえる
生くるためなら
邪にもなろう
悪にもなろう
殺すのであれば
喰ろうてくだされ
腹がくちるほどに
骨の髄までしゃぶって
くだされ
魂の浄化なすまで
2002 08/13 12:21
Category : 物語
16ビートの鼓動に
車を走らせ
夏の太陽に
昔の君を思い出す
ギターを抱えて
恋の歌を歌ってくれた
君の夢は叶ったのか
クラスメイトの自殺にさえ
涙を見せなかった君は
恋の別れの辛さに
涙した
ギターと一緒に
そんな思い出さえ
部屋の片隅に置いたまま
大人になっているのか 君は
車を走らせ
夏の太陽に
昔の君を思い出す
ギターを抱えて
恋の歌を歌ってくれた
君の夢は叶ったのか
クラスメイトの自殺にさえ
涙を見せなかった君は
恋の別れの辛さに
涙した
ギターと一緒に
そんな思い出さえ
部屋の片隅に置いたまま
大人になっているのか 君は
2002 08/11 16:06
Category : 詩惑抄
異国の少女の手によって
幾羽かの折鶴が折られた
どんな願いを込めて
折っていたのだろう
ひとつひとつ 丁寧に
羽根をひろげて
折られた鶴は
旅をしてきた少女の願いを
ここに置いてゆくための
使者なのだ
幾羽かの折鶴が折られた
どんな願いを込めて
折っていたのだろう
ひとつひとつ 丁寧に
羽根をひろげて
折られた鶴は
旅をしてきた少女の願いを
ここに置いてゆくための
使者なのだ
2002 08/08 22:40
Category : 日常詩
直射日光の鋭さを
いとも簡単に遮って
母の笑顔がわたしを招く
乾ききった真夏の畦道
夕立の前哨の風
慌てておさえた麦藁帽子
母の日傘は風もよけて
つないだ手は笑っていた
弟のはしゃぐ声は
どこか遠くで鳴く
セミの声と混じって
夏の景色に塗りこめられた
一枚の絵
いとも簡単に遮って
母の笑顔がわたしを招く
乾ききった真夏の畦道
夕立の前哨の風
慌てておさえた麦藁帽子
母の日傘は風もよけて
つないだ手は笑っていた
弟のはしゃぐ声は
どこか遠くで鳴く
セミの声と混じって
夏の景色に塗りこめられた
一枚の絵