「反論」
「僕はにんじんが嫌いだ」
と独り言を吐いた

すると
「オレはにんじんが好きだ」
「私は嫌いだけどサラダなら食べられる」
「にんじん好きだけど、ピーマンは嫌いだ」
「にんじんが嫌いだなんて、変」
「にんじんが嫌いなのは、君がわがままだからだ」
「私の好きなにんじんが嫌いだっていうのは
私のことが嫌いってこと」
と、いろいろ

「うるせー、僕の勝手だろ」
と言ったら
「だったら言うな」
と言われた

自分のコトバを消したら
僕の存在も消えてなくなった

だれかが
「どうして、にんじん嫌いなの?」
と 聞いてきた
「ほんとは嫌いじゃないけど、なんとなく
言ってみたかっただけ」
僕がそう応えたら
「何だ、そうか(笑)」
僕も笑った