「夢見る頃は とうに過ぎ」
科学者になりたかった
教師になりたかった
看護婦になりたかった
作家になりたかった

自分が生きていることの
理由がほしかった

なんにもなれずに
母になった

ある日 テレビで映画を見た
タイトルも覚えていないが
アメリカインディアンの少女が
開拓民の少女に学校へ行くことを勧められていた
「学校へ行くと,先生にも看護婦にもなれるのよ」
するとインディアンの少女はこう答えた
「お母さんになったら,それらの全てになれる」

なんだ,わたしの夢は叶ったんじゃないか