「途中停車」
<<インド>>--アグラ--


一晩中走り続けた夜行列車は、朝になって途中停車の駅に停まった。

我々の乗る二等寝台客車は、クーラーが有り三段ベットが向い合せになったベット付きだが、隣の三等客車はクーラーや寝台は無く、木の座席だけである。

窓には鉄格子が嵌っており、まるで監獄と言った感じがする。

約10分間の停車時間には、この三等客車に乗る人たちが、ホームに溢れ出て、口をゆすいだり英気を養ったりしている。

インド人の男性は、目つきの鋭い人が多く、この異様な光景の中には、ちょっと近付くことがためらわれた。

二等寝台客車とは言え、三段ベットは天井が低く、頭がつかえて起き上がることが出来ず、おまけに向かい側のベットには、インド人家族が寝ており、とても安眠出来る状態ではなかった。