「パワーを貰う」
<<日本>>--川越--


苔むした桜の木のパワーを貰うのだと、老木を抱える女性。

徳川家康の懐刀であった、天海僧正の居城として有名な喜多院には、数百本の桜の木がある。

その中でも筧の水が流れ出る、手洗い場所近くにある、この桜の木は特に老木であるが、毎年見事な花を咲かせる。

面白いもので、彼女が木から気をもらうのだと言って、この木を抱え込んだら、近くに居た若い女性たちが真似をして、次々とこの木を抱えていた。

何だかこの時だけは、私も木になりたいものだと、冗談を言ったのであった。

後数十日で、この桜の木も満開の時期を迎えることであろう、その時また此処を訪れようと思ったものである。