「古都トレド③」
<<スペイン>>--トレド--


更にカメラを少し左に振った、街の光景その三。

いずれどの光景も、見応えのある街の佇まいである。

こんな高台にあるトレドの街が、どうしてこんなに栄えたのか不思議に思っていたが、先日のBSテレビ「世界の水紀行」でトレドの特集を見て初めてその謎が解けた。

この街の繁栄には、手前に有る、スペイン最長の川、タホ川が大きく拘っているとの事であった。

この水量豊富な川の水を、どうして遠方に鐘楼の見えるカテドラル(大聖堂)や、サント・トメ教会に、組み上げる事が出来たかは、街の開発に従事した一人の時計技師の発明による所が大きいのである。

1565年、当時の王フェリペ二世の命により、街の時計技師フアネロ・トゥリアノが、タホ川の水力を利用して、24時間稼動する巨大な水の汲み上げ装置を開発したのだ。

今でもその装置の模型が、アルカーサルの軍事博物館に展示されており、その装置の精巧さに驚かされる。

この装置の開発には、5年という年月が掛ったと言うが、世界には頭の良い人がいるものだと、舌を巻いてしまうのである。