「車窓風景⑨」
<<スペイン>>--バレンシア--


既に廃屋になってしまった建物の脇を通り過ぎた。

嘗ては沢山の家族で賑わったであろう石造りの家だが、今はすっかり朽ち果てている。

どうしてこの家が廃屋になったのかは、知る良しも無いが、こうした住民の居ない家を時々見掛けるのである。

石造りの家は、木造と違って、直ぐに崩壊してしまう事はないが、それでも屋根の陥没などから見ると、かなり長い間放置されている家のようである。

何処の国でも地方の過疎化は進んでいるのであろうか。

これだけ大きな家が崩壊するのには、かなりの経緯が有るのだろうが、それを知る由もない。