「天国への階段」
<<インド>>--ヴァラナシ--


これは火葬場の脇にある寺院である。

死者を弔うための寺院かどうか良くわからないが、此処までは撮影出来たが此処から先は撮影禁止である。

細い石段を登り右手に曲がると、屋上に出、そこでたくさんの遺体が焼かれている。

梯子状の上に載せられて、布を被せて遺族によって運ばれてきた遺体は、此処で薪の上に置かれ、火を点けられるのだ。

本来荼毘に付すとは、こういう事を言うのだろうと、実感したものである。

しかも此処では一体だけ燃やすのではなく、纏めてたくさんの遺体を焼くのだから、その煙はかなり強烈である。

我々観光客は、何の囲いも無いこの火葬場の脇をぐるりと見学するのである。

我々が此処を訪れた時は、既に荼毘が終わりに近付いた時であり、薪の燃え滓に混じり、あちこちに白骨化した遺体が散らばっていたものである。

その場所を一巡りするのに、残り火の暑さで、体から汗が滲み出てきたのを今でも思い出すのである。