2023 09/17 09:32
Category : 記録
天草農民の貧困。それは行を読み進むごとに、厳しさを増す。
「(おサキさんは)朝から水ばかり飲んでおって」
「日が落ちて晩になっても唐芋のしっぽ、ひとすじ口にはいらんこともあった」。
生みの母親と一緒に居たときでも味わった、生活。
再婚した母と別れて子ども三人だけで暮らすようになってからは、更にひどく。そう続く。
「冬になるじゃが、麦櫃も唐芋の桶もからっぽになって」
「家に畳ちょうもんがなかったけん、山で枯れた枝を拾うて来て火だけはたいたが」
「兄妹三人、空き腹かかえて板敷に坐っとると、頭に浮かんで来るとは食いもんのことばかりだったぞい」。
ジャーナリズムが<底辺>に関心、語り部が転居、彼女の生命も限りすくなく 山崎朋子『サンダカン八番娼館』 筑摩書房1972年
「(おサキさんは)朝から水ばかり飲んでおって」
「日が落ちて晩になっても唐芋のしっぽ、ひとすじ口にはいらんこともあった」。
生みの母親と一緒に居たときでも味わった、生活。
再婚した母と別れて子ども三人だけで暮らすようになってからは、更にひどく。そう続く。
「冬になるじゃが、麦櫃も唐芋の桶もからっぽになって」
「家に畳ちょうもんがなかったけん、山で枯れた枝を拾うて来て火だけはたいたが」
「兄妹三人、空き腹かかえて板敷に坐っとると、頭に浮かんで来るとは食いもんのことばかりだったぞい」。
ジャーナリズムが<底辺>に関心、語り部が転居、彼女の生命も限りすくなく 山崎朋子『サンダカン八番娼館』 筑摩書房1972年