「柿の渋さ<日光の働き>で甘みに転ずる」 相田みつお筆「21日・・・『のに』がつくと愚痴がでる」
 あんなにしてやったのに
 「のに」がつくと
 愚痴がでる。 みつを

 かくある卓上カレンダーの一枚。月の21日用に用意されている。
 題して『相田みつを作品集 トイレ用日めくり ひとりしずか』ということらしいが、拙宅では居間に据え置きの棚の上にある。
 「家族がかわった」「親子関係が昔のようではなくなった」「子が独立すると、親を置いてゆく」。悲鳴とも思える声が聞こえるようになった。

 そうではないか。 「二人に<ひとり>はお一人さま」「無縁家族」。
 いずれも天下のnhkが放送で示した用語ながら。
 そこに孤立、孤独に置かれている姿を垣間見るは、自身のみか。

 「他者を<孤独>の中に置き去りにしない」「自身を<孤独>の中に置き去りにしない」。
 そこを自身にも、そして周囲にも呼び掛けている。
 キッカケはお一人の女性。「私、日に一度、叔母の話相手に<住まい>を訪問しています」。

 「(筆者は)そうですかー、それは尊いことで」。
 爾来。高齢者学習システムの理念「百歳までの人生、なにゆえに<学ぶ>か」の中軸に据えている。
 愚痴・怒り・そねみ。生涯につきものながら、否定をするまい。

 「柿の渋さ<日光の働き>で甘みに転ずる」 相田みつお筆「21日・・・『のに』がつくと愚痴がでる」。
 上手に齢を重ねてほしい、賢く生きてほしい、知恵で地域社会を支えてほしい。
 そうでは、あるまいか。