機の深心・凡部の自覚&悪人正機・肉食妻帯 「宗教・仏教から現代社会のあり方を考える」 230506
 機の深心・凡部の自覚&悪人正機・肉食妻帯 「宗教・仏教から現代社会のあり方を考える」 230506

 世に『教行信証』と申すもこの書名の本はなく、『顕浄土真実教行証文類』とされる。
 草稿本の完成は1224=元仁元 げんにん 年4月15日とされ、この時を本書の成立年とした。
 中に「元仁元年[元仁とは後堀川院諱茂仁の聖代なり]甲申に至るまで」が、その該当箇所であると、言う。

 2023年は数えて800年にあたる。真宗10派はそれぞれに、記念行事を「法要」「慶讃行事」という形で実施。
 去る5月6日には宗教学者の島薗進氏、ジャーナリストの池上彰氏に、釈徹宗師がパネリストを務め、「シンポジュウム3 宗教・仏教から現代社会のあり方を考える」。

 出席者から寄せられた質問用紙の中から三題。
 「宗教と道徳との違い?」を問う内容もあったが、「宗祖のどの思想に注目するか」、と。
 そこで島薗氏は「機の深信」「凡部の自覚」を、池上彰氏は「悪人正機」「肉食妻帯」と指摘。

(’註)「機の深信」=「落ちるしかない救われようもない私(機の深信)が、必ず取って捨てず、必ず救う阿弥陀仏(法の深信)に出あわせていただく」の思想。

 <シンポ3の趣旨>は概ね三点。
 「社会の生きづらさや、時に押し寄せる喪失感・虚無感は、人間に何を求めさせるのか」。
 「その時、人はなぜ神秘に魅了され、集団に導かれるのか」
 「カルト問題も蔓延る社会に対し、宗教とりわけ仏教に求められる役割とは何か」

 特に島薗進氏は釋徹宗師とともにnhkETV「こころの時代〜宗教・人生〜 シリーズ『問われる宗教と“カルト”』VOL.1」に登場していたメムバー。
 番組での一連の発言とあわせ、パネリスト3氏の発言がたいへん、興味深かった。

 終わって8日。
 このGW中に「韓国で合同結婚式 日本から約550人」報道。
 USA元大統領のビデオメッセージに、日本の元首相の写真も会場に。二人の親密さとも重ねて、世の中、どうなっているのやら。