「多様性や共生体感」230227 地域は成熟できるや230303.
「多様性や共生体感」230227 地域は成熟できるや230303.

 2023年03月01日。市内を中心に配布される紙面のトップは、次の見出しで飾られた。 「多様性や共生体感」「都市部企業モニターツアー」「阿寒湖温泉」「アイヌ文化を学ぶ」。 催事では阿寒アイヌコンサルン理事長と、モニターツアーの開発者の談話が掲載されている。

 ここでは、その二者の発言に注目しておく。最初は阿寒アイヌコンサルン理事長の講話要旨。
 「アイヌ民族文化の価値観、信仰などについて具体例を挙げながらアイヌの世界観を紹介」。
 当人の発言で「『世界には多種多様に異なる民族が存在している』。『伝統や文化を正しく理解して尊重し、互いに違いを認めあうことが大切』と共生の重要性を訴えた」。

 注目する二人の発言の紹介。次はモニターツアーの開発者の談話。
 「アイヌ民族文化が伝承され、前田一歩園財団をはじめとする地域の人々が自然を守るこの地域は、多様性や共生を考えるにはうってつけの地域」、とし。
 「次年度以降も市とワ―ケーションの推進に取り組み、パーソナル単独でも企業研修を展開できるようにしていきたい」。
 そう括ったと、記事は結んでいる。

 この催事の主宰は、市内で委託業に従事する会社。東京から派遣された コンサルタントが企画している。
 阿寒湖温泉で首都圏の「人材サービスやIT,建築業など5社から7人」が参加したようだ。
 先に企画された「観光立国ショーケース」。そのなかで阿寒湖畔の意味・意義づけに「カムイの休日」とするコピーがあった。

 「この企画と補助制度は、『地元発』のものではない」。瞬時にひらめいた。
 地元の役人が、「「カムイの休日」と表現するなど、考えられなかった。
 それよりさき児童文学者が「自然保護には、必ず<神>を設定する必要がある」。この論にも、地元で注目するヒトは少なかった。

 「多様性や共生体感」、「前田一歩園財団をはじめとする地域の人々が自然を守る」の観点は、少しずつは広まってきているかも知れぬ。
 が、市民の目線は「企業誘致と外部投資の対象地」に<血まなこ>ではないか。

 「多様性や共生体感」、「前田一歩園財団」も、外からの指摘=「風の情報」を待ってはいけない。
 「土の情報」= マチ中から発信する、市民の<含み資産>で説き明かしたい。
 ここに申す<含み資産>が豊富化、富裕化すると、地域はおのずから<自信>をもてるのではないか。