多様性
 多様性尊重、否定しない、孤独に置き去りにせず 高齢対象生涯学習講座230208

1)「多様性に生きる」。
 看護師養成の専門学校で講じた「比較文化」授業。学校が用意したテキストに「モシ民族 西アフリカ 質的思考」の章があった。
 医療現場で、「患者数」とひとまとめに理解しても意味がなく、同一病名でも多様な症例類型と多彩な治療方法、ケアとキュアがある。
 そこのところを、医療スタッフに暗示したい。そうした意図と意味がある。そう確信した。

 ※モシ民族→ブルキナファソ全域、ガーナ北部、コートジボワール北部=西アフリカのサバンナ地帯に居住する。約750万人。

2)「否定しない生き方」。
 高齢者講座には、それこそ多様なキャリアと知的水準が結集する。
 バックボーンに「(ユネスコの)学習権宣言」「成人教育原理」の理念と思想を据えて展開するが、担当する多くの人には異論、核論の潮流に翻弄される。
 「発言という『形』には、必ず、意味=背景がある」。当面するのは、「異論、核論」が、なぜに発したか。考察・検討することを怠ってはならない。

※「学習権宣言」=1985年の第4回ユネスコ(国連教育科学文化機関)国際成人教育会議で採択された宣言。万人に共通する基本的権利としての学習権を定義。

3)「孤独の中に、(他者を、自己を)置き去りにしない」。 
 人生百歳時代。「そこで勉強しよう」はわかるも、「なぜこの歳になっても学ぶ?」。高齢生涯学習講座を開設するものは、その問いに「答え」を求められる。
 「次世代に、なお学び続ける」の姿勢を示す。それも立派な答えであるが、多くの人は満足できないかも。
 「二人に一人が<おひとりさま>の時代」。まずは「(他者を)孤独の中に置き去りにしない」。
 しかし、「(身は自己を)孤独の中に置き去りにする恐れ」。そこで、どするや。答えのひとつは「同行二人」なのだが、さて・・・・・・・。

※「孤独の中に置き去りにしない」=終末期医療に従事するスタッフがたどりついた癌患者、末期のケア思想。ケアは病いに悩む患者に対し,全人的なアプローチをするもの。

1981年秋から提案の「北海道老人大学」。今から18年ほど前に、画期を迎えていた。
北海道の直営事業で起業された講座は、のちに民営に移管される。
「時間をもてあまして老人大学」の時代にかわり、「意図と目的をもって、余生を地域に貢献」の受講者が増加している。受け入れる側の対応。そこに注目があつまっている。