「自分への<ご褒美>と考え」 閉店するデパートに見た<百貨店文化>230124
 「自分への<ご褒美>と考え、週に一度、車で(百貨店に)出かけました」。
 「デパートならではの品ぞろいを愉しみ、充実感を実感することができました」。
 24日 18時台の北海道内に配信するNHKニュース。釧路在住「くまのみ」(40歳)の投稿がパネルで紹介された。

 藤丸は明治33年の創業。今月末で閉店を迎える帯広市のデパート。
 「道内最後の地元資本のデパート」とも紹介される。
 道内諸都市で百貨店の撤退が進んできた。小樽・室蘭・釧路・函館・旭川。
 道央都市・札幌でも五番館やその後に進出した西武が撤退した。

 撤退年を調べあげてゆくと、<時代の反映>という側面が浮き彫りにされるであろう。 このたび新会社を継承する社長就任者は「特定の階層に支えられすぎ」と、申している。 冒頭の「週に一度、車で(百貨店に)出かけました」とする消費者が居る一方、「(高いと思って)一度も行ったことがない」。
 そうした市民は、百貨店在盛期の末には確かに存在。

 「売れ筋商品」「お手頃価格」とは別な、百貨店ブランドやそこで意味をみつける「百貨店文化」があった。そのように、おもう。
  郊外に大型量販店。広大な駐車場にマイカーで買い物の「アメリカ型様式」。

 形に表れにくい、「格差」「経済規模縮小」「可処分所得減少」「恋に出会い得ても結婚できない現実」。
 「百貨店文化」が衰退する一方、「「売れ筋商品」「お手頃価格」でも縁遠くなる<一群>が拡大する。そうした局面にあるのではないか。
 そこを<必死>にこらえて、なんとか<勝ち組に>の世相が、気が付かないうちにすすんではいまい、か。

 意味するところ深長ではないだろうか。
 注目すべきは「地域の力で再建」の構想力と応える投資者。声援をおくろうではないか。
 「自分への<ご褒美>と考え」 閉店するデパートに見た<百貨店文化>230124