「環境破壊の現実」=不都合に目をそむけてはいないか。
 「環境破壊の現実」=不都合に目をそむけてはいないか。
 道内配布紙の6面。「各自核論」は、藤原辰史(ふじわら・たつふみ)氏の「脱炭素のまやかし」を掲載。



 「環境破壊の現実」は「第一に森林や海洋破壊」、「第二に原子力による環境破壊」を掲げる。

 森林や海洋破壊には
 「①プランテーション拡大=アフリカや東南アジア」で「バナナやアボカドの過剰開発」
 「②熱帯雨林の火災=ブラジル産大豆の需要は高まるばかりで、熱帯林の火災を誘発」と。
 悩ましい点は、「人畜共通感染症の病原体を運ぶコウモリなどの動物のすみかを破壊、エボラ出血熱蔓延の原因」をつくる。

 原子力による環境破壊には、
 「原発に必要なウランやプラトニウムの採掘はどこから採掘するのか」と問う。
 「オーストラリアの先住民が住む地域やナミビアの奥地などであって、日本ではない」。
 「誰が採掘するのか」「それは日本人ではない、労働者は被爆をし、健康をむしばまれている」と、書く。

 問題な点は、
 「菅首相や報道各社が抱く『環境破壊』のイメージのあまりにも浅はかな点」
 「(」原子力は脱炭素社会と歓迎する)経済産業省も原発産業もそこ(採掘地や採掘にあたる人の存在)には触れない」。

 読んでいて、思う。
 目に見えぬ不都合。「脱炭素社会」を言うムナシサ、(日本は福島原発の事故から)なにを学んだのと、厳しい。

 「政府もメディアもまやかしの環境政策をやめないか」。
 「労働環境を過酷にしたまま脱炭素社会を達成したところで、(地球は結局)新しい感染症と放射性物質の汚染に苦しみ」
 「各地の労働者の人権侵害をなかったことにする世界である可能性が高い」。傾聴したい。210513『北海道新聞』朝刊6面。