物語性、ぬくもり、色合いの自然 「千の風工房」さん陶芸作品2020NOVEMSER
物語性、ぬくもり、色合いの自然 「千の風工房」さん陶芸作品2020NOVEMSER



 Goo BLOGにページを開設する「千の風工房」さんから、
 『陶遊』2020 NOVEMBER No181を送っていただきました。拝見して驚きました。

 陶芸財団展第21~23回入賞・入選作品から「編集部が独自の視点」で選んだ作品群に、見開き2ページで紹介されています。

 右上から
 ①「友垣」、右下に②「あたしの彼」、そして左ページの③「お父ちゃん」の三作品です。

 1.「物語性こめた複合体」
 作者は申されています。
 ①は「遊びを終えて、友達同士で肩を組んで帰る子の姿」と述べています。教員経験があるようで、その教え子たちを<ほうふつ=彷彿>とさせるものがあります。
 ここからは紹介者の独断ですよ。
 ②は女性目線で、いかにも誇らしげに語る女児の<たたずまい>を思わせます。
 ③にこそ、親子の親密、父子の愛情が満ち溢れています。つまり<ハートの通いあい>を物語る。そうではないでしょうか。

 2.「ぬくもりヒタヒタの造形美」
 決して<スマートさ>が表現されていません。しかし、どこか憎めない。そうした気風が表現されてています。そうは、おもいませんか。
 どの作品に接しても、共通する点は<ふくよかなボリューム><温かみのある自然曲線><素朴・純朴といえる表情>。
 作品群に貫かれ、<ぬくもり>を存分に感じさせてくれる入賞作品です。

 3.「色合いの自然」
 ③は「素焼のまま水彩絵具で彩色」と作者は述壊されています。他の二点は焼成の結果とあるわけで。
でも、そこに。ありません。しかし出来上がりとしては真に自然な色合い。
 作品に絹糸を染め、織り重ねる豪華さ、あでやかさはありません。他方で庶民の<木綿のぬくもり>を思わせてくれる素朴さと自然の色合いが示されています。
焼きあがり。焼成前と焼成後。
 作者のトキメキ、ドキドキ感を想像するに、見るヒトをして<作者の笑顔>と同感させてくれる作品の紹介。そうした思いと、感慨にひたらせてもらったのですが。いかがでしょうか。

 プロフィールにあります。
 「2009年 新潟市展奨励賞以後出品」「2012年 陶芸財団展以後出品・会員」、と。

 作者は、2021年5月21~23日に新潟市内で予定の展示会に出品予定、と。
 かさねて「来年は陶展もできたら」と意欲を燃やされています。楽しみです。『陶遊』No181 「巻頭特集 人形勢揃い~遊び心と魂が宿る~」掲載。