「福島原発」「コロナウィルス危機」「気候変動」 政治行政システムは機能しているか210120
 「福島原発」「コロナウィルス危機」「気候変動」 政治行政システムは機能しているか? 210120.



 飯田哲哉著「複合危機をどう乗り越えるか」は、問うている。

 1)「(新型コロナウィルス危機)世界中でほぼ同時に直面している危機であるため。日本の政治システムの機能不全とも言える対応の拙さが際立つ」(164p)。
 2)「(新型コロナウィルスに関して)時々刻々増大してゆく最新の知識や技術を使いこなせない政治組織や既存組織の硬直化とともに」(同p)。
 3)「人々の暮らしはおろか生命と健康さえ守ろうとしない今の政治態度を、私たちは心に深く刻みこむ必要がある」(同)。

 他方で、飯田氏は記載する。
 4)「地方政府と一部の企業だけで意思決定してきた従来のやり方が不適切」
 5)「(地域における意思決定と統治のあり方は)分散型でオープン、水平方向でなければならない」とする「共通理解が高まっている」。
 6)「(私企業による独占的統治のリスクが再認識されると同時に)地域の中での新しいオープンな意思決定と統治のかたちも技術的に可能に」。

 新型コロナウィルス感染症の危機。21世紀も20年を経て、産業近代化の転換点となった1920年を経て100年。
 人類が経験して、今、旧来の生活様式、生活習慣とは別な段階に立ち向かうことになる点。予想される。これまでの生活スタイルは相当に変化を余儀なくされる、はず。

 モノの決定のシステム。
 これまでのうちに、「男性が思いつき」「男性が男同士で議論して」「男性が決め」「男性だけで実施する」。
 「実施に携わった男性は出世して別な地位に」「あとから着任の男性は、前任者とは別な発想と決断で新領域をめざす」。

 公共財が投資されるも活かされぬ、戦後75年。飯田氏の提起に耳、傾けておきたい。