『北海道国郡全図』
『北海道国郡全図』 木版 色刷 101×89cm=(地図 H33×W29)
 松浦武四郎が作り、明治2年12月に開拓使から発行されたもの、と.
 


 日本図の基本が北を天にするなか、図は南を上として作製されている.
 真意は不明ながら、江戸から境界・異域を眺める視点に抗して、蝦夷地から本州を照射、すなわち東方から西を視る<太陽の目>が意識されているか.

 「寧静致遠」にも注目するが、そこは、「遠い土地の人民を従わせ、安らかに治まる」という意見とされる.

 高倉真新一郎氏は申す.
 「武四郞業績の総決算、北海道が名実ともに日本領土なる」と書き、「幕府の蝦夷地図作成の総決算とも」記す.
 ある意味、<測量結果の表現>の側面で、江戸時代に到達した蝦夷地図表現の到達点ということかも.