八〇年代=子どもの暮らしの舞台装置を根底から変える 天野ほか『モノと子どもの戦後史』(吉川弘文館)


 切り口に興味。「おもしろい」というべきか。

 「子どもの身体をつつむ容れモノ」と、最初に来る。
 次に「子どもと大人の関係で紡ぐモノ」と受け、「子ども期を彩るモノ」
 「子どもの体をつくるモノ」と展開する。

 どのようなモノが視野にはいると想像されるであろうか。
 「子どもの身体をつつむ容れモノ」に「オムツ」、「校舎」、「こども部屋」、「学習机」。
 「子どもと大人の関係で紡ぐモノ」で「育児書、征服、バリカン」。
 「子ども期を彩るモノ」は「写真」「わらべ唄」「おやつ」「マンガ」
 「子どもの体をつくるモノ」といえば「母乳とミルク」、「回虫」「学校給食」。

 なるほど。
 その一文。いろいろあるも、「八〇年代から<いま>に至る時期は、子どもの暮らしの舞台装置を根底から変える「消費と情報」の高度化の時代」(2p)をまず、あげておく。

 ここで、どうも世代間の文化、伝承に非連続面が生じ、生活習慣の変容、家事参加等に断絶面が生じているように思えるのであるが。(吉川弘文館発行 2007年).