2017 08/04 20:35
Category : 書評
史書に詩に 日本語化した漢文の熟読法 沖森卓也ほか『漢文資料を読む』(朝倉書店 2013年)
漢文.冒頭に「(漢文を通して)文化・社会・技術などのあらゆる分野において中国を模倣することに始まり」、「日本語で理解できるシステムを古くに構築できたからでも」(「はじめに」)と、書き起こす.
全15講.「訓読」「助字」「修辞法」などに始まり、「漢詩」「和化漢文」「日本漢文」と、続く.
学部でいきなり読まされた、『類従三代格』やら『続日本紀』などは、本書の第9ー11講で検討されている.
ともかく「レ」「二ーー一」「下 上」などの記号でタドタドしく読んだものであるが、最初に本書を通覧しておくと、理解もまた変わったかも.そのころは、新制高校出にこうした類書は想像もつかなかった.
随所に、納得の項.「(『日本書紀』は)『漢書』『唐書』などに対する『日本書』.その「紀」(王の年代記」という編集意識による書名」《77p).
講ごとに「課題」「練習問題」が配置され、課題では実践力、練習問題では応用力が身につくと、「はじめに」で提示している(朝倉書店 2014年)