2016 04/30 07:56
Category : 書評
岬に<限界感のもつ孤独感>と<誘惑> 宮本常一著『私の日本地図 下北半島』
本書を1975年頃、読んだ.
以下のところを、おぼろげながら記憶していた.
「岬の突端はどこでもさびしいものである」
「眼のまえはただひろびろとした海そしてそのはてしない彼方へ思いをはせつつまた引きかえさなければならぬ一種の限界感の持つ孤独感は岬をおとずれる者がひとしくあじわうことであろう」。
「それでいて人びとはそこまでいってみないとすまないような誘惑にかられる。」(P.130)
民俗学 下北旅行9度.
著者は、昭和15年から昭和41年まで、9回にわたり下北を訪問した.
尻屋岬.本州最北端に立ち、「一種の限界感の持つ孤独感」と「(その先をめざす)誘惑」を、実感したものらしい.
津軽海峡をながれる潮が、感慨に拍車をかけてくれたもの、か.
先に下北半島を訪ね、後日、この箇所を読んで共感した.
本書を読んで約40年.訪問後の記憶が、琴線のごとく鮮明に記憶させたのかも知れない.<岬観光>のポイントと、ながくおもいつづけている.