2016 04/05 05:52
Category : 書評
類書は多い.だが著者の観点は明確.
「(『歎異抄』の)魅力は二つ」(5p).
1)人の内実へとズバリと切り込む、「切れ味鋭い金言や箴言(しんげん)にあふれている」
2)人々が漠然と抱いていた宗教や仏教の「イメージをひっくり返す力を持っている」
「(私たちの)常識を揺さぶるような逆説的な内容がいくつも書かれている」とする.
「切れ味と深みのある書物」(64p).
『歎異抄』の書物としての評価.他方で親鸞門弟に「ものを書いた人があまりいない」うえに、「親鸞も自身のことはほとんど書いていない」と、中世思想形成上の位置も示す.
「語録(師訓)篇」、「歎異(異議)篇」、各2回.
4回にわけ放送される.全18条で構成と記憶している.1回目に3条をのぞく前半10条の解説、2回目で3条「善人なほもって」を独立させて述べている.
後半は第10条を二つにわけ、10条は前半「念仏には無議をもって議」と、後半の「中序」に区分.
そのうえで11条から18条までを3回目で、後序を4回目にあて、講座を締めくくる.
メリハリの手際.うなづかせてくれるの、思い.(日本放送出版協会 100分 de 名著テキスト 2016年).