田中優子著『グローバリゼーションの中の江戸』.
 田中優子著『グローバリゼーションの中の江戸』.
 大航海時代を経て、我が国は世界史と接触をもつ時代がはじまる.
 科学技術の発展は、航海術など諸科学の機能のうえに、アジアとヨーロッパが<海洋>でつながる時代にはいる.


 
 グローバリゼーション.地理的空間を圧縮する.そのために異なる文化、利用不可能が活用可能となる.
 資することもあればと利点をあげ、かえす論理で競争、不幸、植民地化、アメリカ化と不平等を示す.

 グローバリゼーションは、生活・文化・習慣にも変革をもたらし、受容のうえに<主体性>を試される.

 変革と受容に政権と庶民.どちらが利点の恩恵に浴し、どちらが利益を提供する役割を担うか.
 そこを緻密に問い直そうとするかの感が、行間にうかがわれる.

 グローバリゼーションは必然.その時代に生きることを否応なく求められている若者に、試金石を示すということのようだ.(岩波書店 2012年)