2015 04/22 06:53
Category : 書評
北方詩 同人詩編集 校歌 弟子屈町教育委員会編『原野の詩人 更科源蔵物語』.
釧路国 弟子屈町教育委員会が発行した<副読本>シリーズの一冊.
更科源蔵翁.
弟子屈町南弟子屈で、開拓農家を営む家に生まれた.若き日に上京して、麻布獣医学校で学んでいる.
詩人.
だが、印刷業を手がけて文芸雑誌の発行をめざし、同人誌の編集でも才能を発揮して、同人の指南をかさねた.
作品は亜寒帯的気候の厳しさ.
汗してもなかなか実らない生業、ためにすさんだ人心、殺伐にして<あせり>にも似た心理に生きる<男>、その<思い入れ>を丁寧に世に知らしめて、きた.
更科源蔵文学館.
弟子屈町では図書館の一隅に部分展示していた作品群を、釧路圏摩周観光センターにまとめて、<更科源蔵文学館>として公開している.
本書はその作品背景、作家の軌跡を、児童向けに示したものである.長く町立図書館に勤務していた方が、編集の中軸でかかわっておられたようである.
巻末に年譜、作品リスト、20数校におよぶ小中高の校歌作詩リストが付されて、作家のみならず作品の全容、まことに幅広い生涯の軌跡を読み取ることができる.
<副読本>シリーズ.
そう銘打つだけに、平易、わかりやすさにも編集にたずさわったお方の、永年の蓄積と創意工夫がちりばめられているの感が、ある.(弟子屈町教育委員会 2015年3月 非売品).