剰余経済の証 金森敦子著「お伊勢まいり ニッポン観光事始め」
 剰余経済の証 金森敦子著「お伊勢まいり ニッポン観光事始め」.

 「庶民が旅を知った時代」から、書き出しが始まる.「農民 諸国漫遊の旅に出る」「道中 山あり谷あり助けあり」「つまらないとは言わせない 腕利き案内人の活躍」「おかげ参りのエネルギー 庶民の旅が日本を変えた」の四章.

 「農民 諸国漫遊」が、そもそも江戸時代の農民に対する固定観念、改定を示すという.農民的剰余で、そこそこの暮らしを示すものと、とする.

 観光案内所や、「腕利き案内人」に、旅にまつわる経済の成立を読み取ることができる.

 「おかげ参り」は、幕末の「えいじゃないか」が著名.でも慶安2年、寛永15年、宝永2年、明和8年、文政13年、慶応3年と発生.

 名古屋付近から発生は近年の研究で、「三河国吉田」と理解.「一生に一度は伊勢参り」ではなく、「日本には信じられないほどの旅行者が居た」と、されている.

 「伊勢参り」.そこを、旅行者の主体・旅行の過程・サービスのプロ、そして「旅に集積、民衆のエネルギー」.それらが構造的にとらえられている.

編集 ペン : 物見遊山の旅は許可されませんでしたが信仰の為なら許可されたのですよねぇ。これを大義名分に旅に出る・・東海道中膝栗毛^^