2012 09/09 10:01
Category : 書評
渡辺幸應ほか「大江戸クルメ物語」。江戸が人口吸収地区になって、生産と消費の間に距離感が発生するようになった。
多分、「新鮮」のつぎに、なんらかの「手」、すなわち「食材を分解して、一手間かける」をくわえて、食べ物本来の味を豊富にすると言うか、多様にすると言うか。服部はその「手」をくわえるを、「仕事」と表現する(92p)。
魚にコロモをまぶして、脂であげる。マグロを醤油につけて「ヅケ=漬け」の食べ方を提示する、そば粉でうどん風に仕立てた面を汁でたべる。したがって寿司、てんぷら、そばは江戸時代に完成した「三大ファストフード」(90p)と表明する。
鰹節。輸送に日時を要するが、その間に良質の黴(カビ)を発生させて、悪玉のカビを抑制することを考えたのだそうだ。「養生」というか、輸送期間=製品のグレードアップ期間と位置付けたわけだ(93p)。
動物性のイノシン酸と植物性食品のグルタミン酸をくみあわせて「数倍うま味が増します」(94p)ともいう。昆布ロードの始まりでもあり、重要な発見。
我が国の工業化で、食料の自給率はさがった。考えておきたい。自然の宝庫に未利用資源が、まだまだありそう。本書はそうしたことを教えてくれる。
多分、「新鮮」のつぎに、なんらかの「手」、すなわち「食材を分解して、一手間かける」をくわえて、食べ物本来の味を豊富にすると言うか、多様にすると言うか。服部はその「手」をくわえるを、「仕事」と表現する(92p)。
魚にコロモをまぶして、脂であげる。マグロを醤油につけて「ヅケ=漬け」の食べ方を提示する、そば粉でうどん風に仕立てた面を汁でたべる。したがって寿司、てんぷら、そばは江戸時代に完成した「三大ファストフード」(90p)と表明する。
鰹節。輸送に日時を要するが、その間に良質の黴(カビ)を発生させて、悪玉のカビを抑制することを考えたのだそうだ。「養生」というか、輸送期間=製品のグレードアップ期間と位置付けたわけだ(93p)。
動物性のイノシン酸と植物性食品のグルタミン酸をくみあわせて「数倍うま味が増します」(94p)ともいう。昆布ロードの始まりでもあり、重要な発見。
我が国の工業化で、食料の自給率はさがった。考えておきたい。自然の宝庫に未利用資源が、まだまだありそう。本書はそうしたことを教えてくれる。