小泉 武夫著『発酵は力なり―食と人類の知恵』。
 小泉 武夫著『発酵は力なり―食と人類の知恵』。発酵学者を任ずる著者が「食と人類の知恵」の副題で書いている ミクロン単位の微生物が、発酵菌、腐敗菌、病原菌にわかれている。

 家庭の中から鰹節の削り節が消えてしまっていることを嘆く。グルタミン酸ナトリウムという化学調味料が、うまみ調味料やだしの素が普及し、鰹節などわざわざ削らなくてもよくなった、からだ。

 そこで、著者は問う。「グルタミン酸ナトリウムの白い粉やだしの素の粉末を鰹節の代わりにご飯にかけて上から醤油をかけて食べたら、おいしいでしょうか」と。「うまいうまくないの前に、私なら吐き気がしてしまします」。

 便利なものができて、結果はどこに利益が集中するか。かんがえてみたい。(NHK人間講座 日本放送出版協会 2002年)

編集 ペン : そう言えば・・・鰹節の塊が小さくなってそれをおやつ代わりに齧っていたのはもう遠い昔になってしまいました(笑)