宮坂静生著『季語の誕生』。
 宮坂静生著『季語の誕生』。 季語はどのようにして定型化してきたので、あろうか。地域によって季語と季節に乖離のあることもあるが、どのように受け止めると良いのであろうか。答えを用意している意欲的な提案。

 季語の起源を縄文の生活意識からさぐり、平安時代の歌語が起源になって誕生したとする説(207p)を深化させる。
 他方で、「季語の地貌化という視点」(同)を掲げる。季語「平安貴族によって山城盆地を中心とする近畿文化圏の風土の中なかで誕生し、育まれたもの」が、江戸時代に芭蕉の旅の体験を通じて「確立した不易流行の造化感は季語のもつ拘束を自在にした」とも、読む。

 季語の中核に、花月雪があり、これに鶯と紅葉が加わる。季語は北緯30度ー40度地帯にあてはまり、遠く縄文の意識に拘泥される。読んでいて、わかりやすい。(岩波新書 2009年)

編集 ペン : 日本ならではの言葉ですよね♪季語と枕詞どちらも雅で少し不可解(笑)季節や環境が当時と変わってしまっているからでしょうか